ブレンドイメージコラム
 
　先月に引き続き、12月には「火の呼吸」をマスターしました。2024年8月から石垣島に毎月行く生活が続いていますが、その集大成とも言える「サバイバル合宿」は、一人用テントと寝袋、2リットルの水のみを支給され、狩猟生活をするというものです。参加者は16名。講師とサポートスタッフを入れると20名ちょっと。トイレもシャワーも水道もないという全員同じ環境と条件で4日間を生き抜きます。海辺にテントを張り終えたら野生トイレのテリトリー決めをし、夜の焚き火のために流木を集める作業をみんなで協力しながら行います。その後は、本日の食料を確保する時間です。ヤスを一人一つもち海へ！シュノーケリングしながら獲物を探します。色とりどりの美しい魚がいるポイント見つけたのですが、ヤスを向けた瞬間にさっと逃げていく魚たち。魚の警戒心はなかなかのものです。先月マスターしたカニ呼吸がここで役立ちました。私に捕まえて欲しい魚はどれかしら？という意識で泳いでいると、不思議とその魚が目の前に現れてくれるのです。この法則がわかったことで、私は初日にカワハギを１匹捕まえることができました。そして捕らえた生き物には、「命を差し出してくれてありがとう」と感謝の気持ちを持つこともできました。自然の中で、その日食べるものをみんなで探すこと以外は自由に過ごす日々。1日にほんの少しのスープと、小さなカニくらいしか食べられない環境。とてもシンプルで質素でしたが、心は驚くほど満たされていました。所有、貯蓄、争いという概念がまったくない世界では心は常に穏やかで、全てがキラキラ輝いていて。何をしても楽しいし、気がつけば笑っている。気が合うとか合わないとか、いつもなら考えてしまう人間関係も、全ての人、個性をまるごと受け入れられる。これが縄文時代の生活なのかと思いました。渡辺京二氏の著作「逝きし世の面影」には、明治初期に日本を訪れた外国人たちが、日本人に対して抱いた印象がまとめられています。「日本人は笑い上戸。いつも笑っていて、大人の仕事は遊ぶことであるといっていい。質素な生活をしているけれど、みんなが幸せそう。」これを読んだ時には、今の日本人とはかけ離れすぎている….感じましたが、狩猟生活を経験したことで、それが本当だったことがわかりました。そして、その時代の日本人のように過ごすことも簡単にできると。今回初体験の火の呼吸は、途中で意識が飛ぶ人もいるほど激しいものでした。10分ほど呼吸を続けると、感情がぐわーっと溢れてきて。やるせなさ、悲しさ。子供の頃に自分らしさを認めてもらえず、ひとりぼっちを初めて味わった時の孤独感。幼すぎて、その感情をどう処理していいか分からずに蓋をしていた感情が一気に外に出てきたのです。呼吸を続けながら、子供のように声を上げて泣き続けました。素直にその感情を出していくと、今度は喜びの感情が溢れてきて、自然と笑っていました。生まれてきてよかった、この世界はなんて素敵なんだという感情が心を震わせました。日本の自然はすべてを提供してくれます。必要なものはなんでも揃っています。この先何があったとしても、自然の中で生きていこうと思うだけでいいのです。現代社会で生きるよりもよっぽど幸せに生きられるのです。そう思えるようになったことで、不安に囚われることがなくなりました。私たちは自然の一部。自然に生きれば、すべては共鳴していきます。2025年はさらに変化のスピードが上がっていきます。その波に乗るためのパワーを生み出すブレンドを今月は心がけました。「松」は気血水の「血」にアプローチします。植物でいえば根っこにあたるのが「血」。どんなに激しい風が吹いても、地中深くに根を張っていれば動じることはありません。上手くそよいで風を逃すこができます。松が私たちの根っこをさらに深くしてくれるのです。陳皮は巡らせる、動かす力を強く持ちます。こうあらねばならないという、これまでの固定概念を打ち破り、本来の自分を表に出すパワーを強くしてくれます。銀杏は、恐竜がいた頃からの歴史を持つ最古の現存する植物です。地球の歴史を知っている植物は、私たちは自然と共にあることを思い出させてくれます。植物がそれぞれ持つパワーは、ブレンドをすることでさら増強していき、またおいしくもなります。自然の恵みを詰め込んだ神乃茶をお飲みいただくことで、どこにいても、何をしていても自然とつながっている感覚を思い出していただけるのではないかと思っています。年末年始の特別な時間をぜひお楽しみくださいね。そして、新しい年も皆様が幸せでいられますように、心から願っております。
 
 
 ブレンド素材
 
茎ほうじ
　・オーガニック
　・宮崎県五ヶ瀬町産     　
 
松葉　
　・天然素材　
　・宮崎県延岡市産

陳皮　　
　・自然栽培　
　・宮崎県日南市産　　 　　　　
 
銀杏葉
　・天然素材
　・宮崎県日南市産